海外資産の相続

 2014年より、海外に合計5000万円以上の財産を

所有する人は、国外財産調書を税務署に提出しなければ

なりません。また、1回100万円以上を海外に送金、

及び入金する場合は、国外送金調書を金融機関に提出

しなければなりません。

 

 相続に関しては、海外にある不動産や金融財産を

申告せず摘発される場合があります。

海外にある財産なので、日本の税務署は把握していないと

判断されている方が多いようです。

申告漏れの海外資産の所在地は、北米、東アジア、欧州、

オセアニア、東南アジアの順となります。

やはり安全な通貨、経済という観点から、北米が多いのだと

思われます。

 これらの海外資産が相続税の申告から洩れていれば、

重加算税が追徴されることもあります。

近年は各国との租税協定が進み、税逃れが厳しく管理

されています。

本来、海外資産を所有する目的は、高投資効率、

リスクヘッジ等であると思いますが、中には税逃れに

主眼を置いている人も居るようです。

日経新聞によれば、海外資産の相続税申告漏れの

金額は下記の通りです。

(事務年度)

2012年 27億円

2013年 163億円

2014年 45億円

国外資産調書の提出が義務化された2014年は、

申告漏れが激減されています。

一方、摘発件数は、下記の通り増加傾向にあります。

2012年 156件

2013年 168件

2014年 177件

 

 また、海外資産を所有する上で重要なことは、

財産がある国の相続法を十分に理解しておくことです。

弊所では外国人の相続や海外資産を所有する日本人からの

相談が多く寄せられますが、節税以上に多額の

相続執行費用が必要となった方もいます。

それに加え、状況によっては遺産分割に数年をも費やす

場合もあります。

日本だけに資産を所有することもリスクでしょうが、

海外に資産を所有することも、また違ったリスクがありますので、

遺言書を作成する等の、

将来を見据えた資産管理が必要かと思います。

 

 また、現在では相続人と被相続人が5年以上海外に

居住していれば、海外の資産に日本の相続税は

課税されませんでしたが、海外に移住して日本の相続税を

免れる富裕層が多いため、2017年4月からは、非課税とする移住期間を

10年間以上に変更して相続税の課税が強化されました

10年シバリ

 相続人と被相続人の双方が5年以上海外に居住すれば、

海外にある資産に対しては、日本の相続税が課税されませんでしたが、

2017年4月からは、10年以上の居住に改正されました。

このような長期間の居住が条件となると、

予定していた被相続人が先に亡くなる場合もありえます。

そうなれば、他の親族が新たな相続人になり、

10年以上という条件が振出しに戻るかもしれません。

節税のために海外に移住するというより、

好きな国に亡くなるまで居住する、或いは国籍をも取得して

その国の国民となるほどの覚悟が必要なのかもしれません。

最終的には、その国の生活が本当に好きかどうかが

判断の基準ではないでしょうか。

外国の相続税に関しては、国際相続に詳しい税理士事務所に

問い合わせては如何でしょうか。

 

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