アパートの相続

 遺産分割を行いアパートを相続した場合は、

所有権の移転登記申請を行うことができます。

移転登記する義務はありませんが、賃貸の仲介斡旋を依頼する場合に、

不動産会社によっては所有者を確認しますので、

登記上の所有権者と相続した者が異なると問題となる場合があります。

 また、相続により所有者となった者は、賃貸人の地位も

受継ぐことになります。

賃借人がいる場合には、所有者が変更になったことを通知し、

賃貸借契約の継続の確認、敷金・保証金等の預り金の債務の確認、

賃料の振込口座の変更の通知等を行うと宜しいでしょう。

 同時に、賃貸借の斡旋を行った不動産会社に対しても、

所有者、及び振込口座の変更を通知することで、

契約の更新等の手続きを円滑に行えるようにしましょう。

 賃貸人が代わっても、賃貸借契約の権利義務に変更はありませんので、

債権・債務はそのまま受け継がれることとなります。

 

どうやってアパートから立ち退いてもらえるか

 弊所のある大田区の六郷では、古い木造のアパートや

貸工場、貸商店が数多くあります。

そのようなアパートや工場を相続した場合、

新しいアパートに建替える、売り払う、自宅として使用したい等、

色々な思惑があります。

そこで問題になるのが、相続はしたものの、

賃借人が居住、或いは営業している場合です。

 

 相続人となった人の個々の事情は、なかなか立ち退いて

もらうための正当事由にはなりません。

 先ずは、建替えの計画が決定した段階で、賃貸借契約の

更新拒絶を居住者に通知することが重要です。

遅くても契約更新の1年前には通知しましょう。

この通知は、口頭ではなく、配達証明を付けた

「内容証明郵便」が一番良い方法と考えます。

加えて、入居者をよく知っている親族、知人等が居れば、

事前に契約解除を口頭で伝えてもらうのも一つの方法です。

最初が肝心ですので、入居者の立場に立って、誠意をもって

対応することが重要となります。

入居者の快諾が得られず、期日までに退去しない場合は、

即刻に「異議申し立ての通知」をして、契約更新拒絶の意思を

明確にすることも大切です。

 ただし、「正当な事由」と認められることが、契約解除のために

最も重視されますので、なぜ契約更新をしないのかを

慎重に考える必要があります。

 

 家賃の不払い、耐震上の問題、所有者の変更などは、

ある程度は考慮されますが、

一定期間の家賃の免除をはじめ、引越し費用、転居先の礼金、

不動産会社への仲介料の補てん等、転居しても不都合はないと

判断してもらう必要があります。

 そして、条件が調整できた時点で、「合意書」を

締結しておくことも重要です。

これも口約束では、合意内容は証明できません。

 

 また、大手の建設業者や不動産会社であれば、

このような案件に対処する担当者も居ますので、

連携して慎重に話を進めましょう。

 

 家賃の滞納が頻繁にあり、信頼関係が破壊されていると

判断される場合に関しても、先ずは内容証明にて

支払の催告、そして契約解除の通知を送付

されるのが宜しいと考えます。

未払の賃料を放棄せずに請求するか、また支払方法を

どのようにするか、

或いは債権を放棄し、明け渡しを優先するか等、

状況によって適切な文書を作成することが重要です。

 

 弊所では、行政書士の業務として、上記の「内容証明書」、

「合意書」等の作成をお手伝いいたします。

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